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子育て・介護を変えた、高吸水性ポリマー

紙おむつが薄くなった理由

 ここ20年ほどで、紙おむつがぐんと薄くなりました。吸水力が上がり、おしっこ1回ごとに取り替えなくても数回分を十分に吸収、しかも逆戻りしにくくなりました。1枚あたりのかさが減り、1日に使う枚数も減ったので、ゴミになる量も大幅に少なくなりました。
洗う手間が要らず、おむつかぶれも起こしにくい便利な紙おむつは、こうした進化によって子育てや介護の現場に飛躍的に普及、今では9割以上の人が利用するようになっています。
 この進化を支えたのが「高吸水性ポリマー」です。うっかり紙おむつを洗濯してしまったことのある方は、おむつが驚くほどパンパンに膨らみ、中からゼリー状の高吸水性ポリマーがはみ出したのをご覧になったのではないでしょうか。高吸水性ポリマーが吸水材としてパルプと一緒に入ったために、紙おむつの吸水力が画期的にアップしたのです。乾いているときは白い粉状ですが、水に触れると自重の100〜1000倍もの量を吸い込んで膨らみます。スポンジなどと違い、押しても吸った水を出さないのが特徴です。


SAPの粉体が吸水して膨らむ様子をご覧ください

100倍もの水を吸い込むしくみ
 高吸水性ポリマーは、アクリル酸と、これを中和したアクリル酸ナトリウムを合わせ網目状にたくさんつなげて作ります。網目が風船のように膨らんで、水をたっぷり蓄えられる構造になっています。



水をぐんぐん吸い込む力は浸透圧によるものです。粒子の中でナトリウムイオン(Na+)を放つので内側の濃度が高まり、外側の水との濃度差ができるので、水を中へと取り込む力が働くしくみになっています。


赤ちゃんの皮膚に触れたり、誤って口に入れたりした場合の安全性も、さまざまな安全性試験http://www.jhpia.or.jp/diaperqa/eco/human.html#q1)によって確認されています。
 高吸水性ポリマーの用途は、紙おむつや生理用ナプキンなどの衛生材料がほとんどですが、その他にも食品の鮮度保持シート、ケミカルカイロ、園芸用の保水材、工業用の止水材などに使われています。屋内スキー場の人工雪として使われたこともあります。
(取材協力・日本触媒)

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