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「光の時代」支えるプラスチック

*ノーベル賞技術からレンズ材料

 21世紀は「光の世紀」といわれています。エネルギーとしての光、伝達や記録手段としての光、映像を作り出すものとしての光など、多くの分野で光を活用した技術の発展が期待されています。とくにエレクトロニクス分野では「光エレクトロニクス」といって、実用化が急速に進んでいます。デジタルカメラ、薄型テレビ、カメラ付き携帯電話、コンパクトディスク(CD)、DVDなどはみな、この光エレクトロニクス技術の発展によって初めて製品とすることができたのです。
 こうした光の技術を活用するには、それに適した材料すなわち光学材料が必要で、なかでもガラスは多少熱を加え曲げようとしても簡単には変形せず、絶対的な信頼性があります。しかし、ガラスでレンズを作るのには、その固まりを削りだしたあと精密な加工を行う必要があるなど大変な手間がかかり、コストも高くなります。もし同じ形のものを短時間に大量に作り出せるガラスに代わるプラスチックがあったらどうでしょう。ガラスよりも簡単で安価に光学材料を手にすることができるはずです。
 実際、現在までに多くのプラスチックの光学材料が実用化されており、レンズの場合、アクリル樹脂がその代表格です。しかしアクリル樹脂は水を吸ったり熱がかかると、微妙に形や大きさが変化してしまうため、精密な分野には使用できません。
 それを解決したのが「シクロオレフィンポリマー(COP)」という透明なプラスチックで、空気中の水分を吸う性質(吸湿性)が低く変形しにくいため、光のズレを起こすことが極めて少ないという特長を持ち、精密レンズ分野に使用されています。



 低い吸湿性と高い透明性を両立させたCOPの製造には、2005年ノーベル化学賞を受賞したイブ・ショバン博士、リチャード・シュロック博士、ロバート・グラブス博士の受賞理由だった化学反応の原理が使われました。
 今では、携帯電話のカメラのレンズのほとんどがCOPで製造されていますし、液晶テレビなどの画面の材料としても採用が進んでいます。精密な電子部品になればなるほど少しの光のズレも起きてはならないことから、COPの用途はこれからますます広がることが予想されています。
 (取材協力・日本ゼオン)
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