夢・化学-21 日本化学会 くらしの中の化学製品
化学製品について    
 

ケータイ時代のメ縁の下の力持ちモ?リチウムイオン二次電池

開発のキッカケは電気を流すプラスチック

 いつでも、どこでも、話ができる携帯電話。便利なものですが、電池がなかったら使えません。あんなに小さいのに、何時間、何十時間も使えるのは、リチウムイオン二次電池のおかげといってもいいでしょう。

 二次電池の二次とは、充電して(電力を蓄えて)もう一度使えるという意味です。充電のできない使いきり電池は一次電池といいます。二次電池は以前からありましたが、リチウムイオン二次電池ほど小型で電力を多く蓄えられるものはありませんでした。リチウムイオン二次電池は約25年前、日本で開発されたもので、1990年代に入ってから販売されるようになりました。最初は、ビデオカメラをはじめとしたポータブル機器の電源などに採用され、今では、携帯電話やパソコンの電源になくてはならないものとして、世界で1年間に約10億個が生産されています。
 リチウムイオン二次電池の最大の特長は、高い電圧と多くの電気を蓄えることができることです。ほとんどの電池は溶媒に水を使っていますが、これだと得られる電圧が1.5ボルト以上にならず、蓄えられる電気の量も限られます。そのため、高い電圧と大量の電気を蓄えるには、自動車バッテリーのように、大きくならざるをえないのです。
 リチウムイオン二次電池は、炭酸ジエチレンなどの有機溶媒と六フッ化リチウムなどのリチウム塩を電解質として、4ボルト以上という高い電圧を得ることを可能にしました。同時に、容積当たりのエネルギー量も、マンガン乾電池など一次電池の数倍になりました。
 リチウムイオン二次電池を開発したのは、旭化成工業(現旭化成)の吉野彰さんです。2000年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士が発見した電気を通すプラスチック「ポリアセチレン」に、吉野さんは注目していました。これをどのように使うかを考えた結果、1981年に有機溶媒を使った二次電池の電極に適していることを見いだし、負極にポリアセチレン、正極にリチウムと酸化コバルトの化合物であるLiCoO2とするリチウムイオン二次電池の基本概念を確立しました。その後、炭素(カーボン)を負極とする、現在のリチウムイオン二次電池の特許をえたのです。
 
 日本の技術開発力を生かして、世界で活躍するリチウムイオン電池。将来、もっと幅広く使われるようになるに違いありません。実際、2008年には、ハイブリッド自動車の電池として搭載される計画もあるのです。
(取材協力・旭化成)

▲このページの先頭へ戻る
 
 
 
化学製品について | 日本化学会 | 夢・化学-21 | プライバシーポリシー | お問い合わせ
夢・化学ー21委員会 (社) 日本化学会
Copyright (C) 2006 Dream Chemistry 21 Committee/The Chemical Society of Japan. All Rights Reserved.
夢・化学-21 日本化学会とは くらしの中の化学製品