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高級感あふれる素材 人工皮革

最初はイミテーション

 天然の革製品は色や艶も良く、耐久性にも優れ、そのため天然皮革製品は高価であり高級なものとなっています。しかし天然皮革は生きた動物を原料とするため資源も少なく、さらに上質な部分は体の限られた部分であるため、製品全体を均質な皮革で作り上げるとどうしても高価になってしまいます。そこで最初は天然皮革に似せた擬革、いわゆるイミテーションレザーというものが開発されました。しかしこれは表面の塩化ビニールが劣化して、天然皮革にある耐久性というところに問題がありました。その後天然皮革により近い素材として合成皮革が作られ、さらに研究が進められた結果、現在ではより天然皮革に近く、ある部分では天然皮革を超えた性質を持つ、人工皮革が開発されました。
 天然皮革は、コラーゲンというタンパク質の微細な繊維が数百本収束して繊維(ファイバー)を作り、この繊維が数十本収束した繊維束(ファイバーバンドル)が三次元的に絡み合った構造をしています。天然皮革は、表面の手触りが良く艶がある銀面層から中間層を経て、その下の強度がある網様層からなり、これらが連続した構造となっています。皮革の表面が柔軟で艶があるのは、繊維束が緻密になっているためです。
人工皮革(商品名:クラリーノ)は、コラーゲン繊維の代わりにナイロンやポリエステル極細繊維を用いて緻密な銀面層を作り、網様層には三次元立体構造の繊維層からなる不織布にポリウレタン樹脂を含浸させて、全体を天然皮革に似た構造としました。この不織布を構成する特殊繊維は、中に何本もの空洞のあるレンコン状の構造や、超極細繊維が束になったそうめん状の構造を持っており、ソフトさやしなやかさは、この特殊な繊維が作り出しているのです。

レンコン状繊維
そうめん状繊維

 このようにして作られた人工皮革は、天然皮革に較べて30%も軽くなり、通気性もより優れ、汚れにくく雨にも強いなど天然皮革にない優れた性質を示します。また,天然皮革はその色・艶を維持するための手入れが欠かせないのですが、人工皮革は汚れにくいため手入れが容易という特徴もあります。人工皮革は、全体が均質に作ることができることから、靴や鞄はもとより、広い面積を必用とするレザーコートなどにも需要が広がってきています。
(情報提供・クラレ)

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